QRコードで安全に支払うには、お店が掲示しているコードだけを読み取り、そのコードが別のコードの上に貼られたシールでないことを確認し、支払いボタンを押す前に必ず決済アプリ上の受取人名と金額を確かめましょう。名前がお店と一致しなければ、中止して店員に確認してください。
QRコード決済は速くて便利です。日本ではPayPay、楽天ペイ、d払い、au PAYなどのスマホ決済が身近になり、タイではPromptPayのQRコードが屋台から百貨店まで使われています。仕組み自体は安全ですが、詐欺師は支払いの瞬間を狙います。このガイドでは、お金を守る方法を紹介します。
QRコード決済の仕組み
支払い用のQRコードには、決済アプリが送金に必要な情報が入っています。誰が受け取るのか、場合によっては金額や参照番号も含まれます。銀行アプリや決済アプリで読み取ると、アプリがその情報を読み込んで支払いを準備します。あなたが確定するまで、お金は送られません。
代表的なのは次の2種類です。
- 店舗に掲示された固定のQRコード:レジなどに印刷して置かれています。受取人を示すもので、金額は通常自分で入力します。
- その都度表示されるQRコード:レジや決済端末、画面に、特定の買い物のためだけに表示されます。金額があらかじめ入っていることが多いです。
なお日本では、お客様がアプリにバーコードやQRコードを表示し、お店が読み取る方式もよく使われます。ここでは主に、お客様がお店のQRコードを読み取って支払う方式について説明します。
たとえばタイのPromptPayのQRコードは、電話番号や国民ID、法人の納税者番号にひも付いた受取人のPromptPayアカウントにつながります。PromptPay QR の作成ツールで自分のお店用に作ることもできますが、以下の安全チェックは誰が作ったコードでも同じです。
主なQRコード決済詐欺
QRコード決済の不正の多くはローテクで、急いでいて確認せずに支払う人を狙います。よくある手口は次のとおりです。
- 偽のQRシール。 詐欺師が自分の支払い用コードを印刷し、お店の本物のコードの上に貼ります。お客様は詐欺師に支払ってしまい、店主は売上が合わなくなるまで気づかないこともあります。
- 偽の支払い完了画面やスクリーンショット。 「お客様」が実際には支払わず、加工した支払い完了画面をスマホで見せる手口。こちらは買い物客ではなくお店を狙ったものです。
- メッセージで届くQRコード。 チャットやメール、SNSで送られてきたQRコードを読み取れば、お金が 受け取れる、手数料を払える、返金が受けられる、などと言ってくるもの。
- 偽サイト。 QRコードから銀行や決済ページに似たWebページが開き、カード番号やネットバンキングのログイン情報を求めるもの。
- 過払い・返金の手口。 買い手が「間違って」多く支払ったと言い、差額を自分が送るQRコードで返金するよう求めるもの。
複数の国の消費者保護機関や銀行が、特に無人の支払い場所に貼られる偽シールなど、こうした手口について注意を呼びかけています。
チェックリスト:支払いボタンを押す前に
毎回、次の確認をしましょう。数日続ければ自然に身につきます。
- 銀行アプリや決済アプリの中で読み取る。 よくわからないスキャナーアプリは使わないでください。公式アプリなら支払い内容がはっきり表示され、怪しいWebサイトを開くこともありません。
- コード自体を見る。 別のコードの上に貼られたシールではないか、はがれかけていないか、曲がっていないか、周りの掲示より新しくないかを確認します。
- 受取人名を読む。 アプリには受取人の名前が表示されます(プライバシー保護のため一部が隠れていることもあります)。支払う相手のお店や屋台、人と一致しているか確かめましょう。
- 金額を確認する。 金額が自動で入力されている場合は、請求額と一致しているか確認します。
- 支払いはアプリ内だけで行う。 本物の支払い用QRコードはアプリ内で支払い画面を開きます。カード情報や銀行のパスワードを求めるWebサイトが開いたら、閉じてください。
- 支払い完了画面を残す。 完了画面をお店に見せるか、お店側の通知で確認してもらいましょう。
受取人名がお店と一致しなければ、支払わずに店員に確認しましょう。
覚えておこう:お金を受け取るために読み取る必要はない
多くの詐欺を防げるルールがひとつあります。QRコードを読み取るのはお金を送るときであって、受け取るときではありません。 返金や賞品、相手からの支払いを受け取るためにコードを読み取るよう言われたら、それは詐欺です。お金を受け取るときは、自分の受取用の情報やQRコードを相手に示し、相手がそれを読み取ります。
突然のメッセージで届くコードも同じです。銀行が手数料の支払いやアカウント確認を求めてSMSやチャットでQRコードを送ることは一般的にありません。迷ったら、カード裏面の番号や公式アプリから銀行に問い合わせましょう。
お店・事業者向けのポイント
QRコード決済を受け付けているなら、次の習慣でお店とお客様の両方を守れます。
- QRコードのすぐ横に店名をはっきり表示する。 お客様がアプリの受取人名と照らし合わせられます。
- 支払い用の掲示を毎日、特に開店時に確認する。 シールが貼られていないか、カードが差し替えられていないかを見ます。
- 印刷したコードは透明カバーの中に入れる、または改ざんしにくいスタンドに設置する。
- 入金はお客様の画面ではなく自分のアプリで確認する。 銀行や決済サービスの即時通知をオンにして、すべての入金を把握しましょう。
- スタッフに注意点を共有する。 加工されたスクリーンショットや過払いの話も含めて伝えておきます。
- 販促用と支払い用のコードを分ける。 メニューやキャンペーンにもQRコードを使う場合は、支払い用コードと見た目で区別できるようにして、お客様が迷わないようにしましょう。
印刷したコードを守る方法は 店舗のQRコードを改ざんから守る方法 で詳しく解説しています。
間違った相手に支払ってしまったら
できるだけ早く行動しましょう。スピードが結果を左右することがあります。
- 公式の窓口やアプリから、すぐに銀行や決済サービスに連絡し、不正な受取人に支払ったことを伝える。
- 証拠を残す。送金画面のスクリーンショット、受取人名、時刻、可能ならQRコードの写真。
- お店や施設に伝え、偽のコードを撤去して他のお客様に注意を促してもらう。
- 警察や関係機関に被害を届け出る。
QRコードからWebサイトに移動し、パスワードやカード情報を入力してしまった場合は、悪意のあるQRコードを読み取った後の対処法 の手順に沿って対応してください。
FAQ
QRコード決済は安全?
少し確認する時間をとれば安全です。決済の仕組み自体は安全で、不正の多くは受取人名を確認せずに偽のコードへ支払ってしまうことで起こります。
決済アプリで受取人名の一部が隠れているのはなぜ?
多くのアプリはプライバシー保護のため名前の一部を伏せています。それでも、支払う相手と一致しているか確認できる程度には表示されるはずです。
QRコードを読み取っただけでお金を盗まれる?
本物の支払い用QRコードは、あなたが確定しない限りお金を引き出せません。危険なのは、間違った受取人への支払いを確定してしまうことや、偽サイトに銀行情報を入力してしまうことです。
支払いに一般的なQRコードリーダーアプリを使ってもいい?
公式の銀行アプリや決済アプリの中で読み取るほうが安全です。確定前に受取人の情報がはっきり表示されます。
QRコード決済は手軽で便利で、数秒の確認でその安全も守れます。お店を経営しているなら、QR-THの PromptPay QR 作成ツールでわかりやすくラベルを付けた支払い用コードを作り、すぐ横に店名を表示しておきましょう。